
今回は相談事例を通じて、戸籍の附票と住民票の違いについてご紹介します。

相続手続きについて調べていたところ、必要書類の一つに戸籍の附票がありました。この戸籍の附票は住所を証明するものということですが、住民票と何が違うのでしょうか。

基本的に、住民票は現在の住所を証明するものです。他方、戸籍の附票はその戸籍が作られてから除籍されるまでのすべての住所を証明するものといえます。請求先も違うため、ご注意ください。
1.戸籍の附票と住民票の定義
戸籍の附票と住民票は似ていますが、違いがあります。
戸籍の附票は名のとおり、戸籍に付随しているものです(住民基本台帳法(以下「法」という)第16条)。その戸籍が作られてから、現在もしくはその戸籍から除籍されるまでのすべての住所が記載されています。本籍地の市町村と特別区に戸籍の原本と一緒に保管されているため、本籍地での請求が必要となります。
一方、住民票は居住を記録するものです(法第5条・第6条)。現在の住所地を管理するため住民登録をするので、現住所の市町村で取得する必要があります。現住所の前に住民登録をしていた住所があるときは、従前の住所が記載されます。
2.戸籍の附票と住民票の違い
戸籍の附票と住民票の違いについて下記表にまとめました(法第7条・第12条・第17条・第20条)。

自治体によって記載内容が異なる場合があります。省略されているものについては、申し出があれば記載されます。
実際に必要となったときに請求先を間違えないようにご注意ください。
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